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2014年7月29日火曜日

コラム ホッキョクグマ 動物園で見られなくなる日が近いかもしれない

上野動物園のデア
ライオン、キリン、ゾウ、シマウマなどと並ぶスター動物のホッキョクグマ。
国内の20以上の動物園・水族館で見ることができます。
当ブログでも、男鹿水族館のGAOっとぶろぐ!での豪太とクルミに関する記事が頻繁に登場します。
また、そのGAOっとぶろぐ!のコメント欄を見てもわかるように、熱烈なファンの多い動物でもあります。
このホッキョクグマが、野生下では絶滅の危機に瀕しているわけですが、それに加えて、動物園でもう見られなくなる日がくるかも知れない危機も迫っていますので、ここでひとまとめしておきます。

ホッキョクグマという動物

  • 体長ははオスで2m以上、メスでも約2m。体重はオスで400kg以上、メスで200kg以上になります。クマの仲間では最大です。
  • 寒冷地および水泳に適応した体をもち、首が長く頭が小さいです。
  • 全身が白く見える毛におおわれており、シロクマとも呼ばれます(アルビノのツキノワグマ等と区別するため、上野動物園では必ずホッキョクグマと呼ぶらしいです)。
  • 体毛は実は白ではなく透明。ストロー状の中空構造になっています。光の散乱で白く見えています。
  • 寿命はおよそ30年くらいといわれています。
  • ヒグマに近縁で、交雑が可能です。

野生のホッキョクグマ

  • 名前のとおり、北極圏に生息します。日本にはいません。南極にもいません。
  • 陸で暮らす動物なのですが、実際は海上の氷の上で過ごす時間が多くなります。
  • 泳ぎが得意です。
  • 北極圏では人間以外の天敵はいませんが、遊泳中はシャチに襲われることがあります。
  • 雑食ですが肉食性が強く、アザラシや魚類、鳥類、イルカ等を捕食します(ペンギンは北極圏にはいないので野生下では食べることはあり得ません)。
  • 夏の間は陸で過ごすことになるため、エサの確保が困難になり、餓死することもあります。
  • 野生下では約20,000頭が生息すると考えられています。
  • 北極圏の環境汚染(有害化学物質や原油漏れ)のため、体調に異変をきたしたり、死亡したりする個体があります。
  • 地球温暖化の影響で北極圏の氷が減り、エサの確保に困難をきたすようになってきました。
  • このような事情で保全状況評価はVU(危急種。野生絶滅の高い危険性)となっています。カバ、インドサイ、チーター、イタセンパラ等と同じ評価です。

動物園のホッキョクグマ

  • 熱狂的なファンが多く、ホッキョクグマをテーマにした、とても詳しい個人ブログがいくつも見られます。
  • 国内では20以上の動物園・水族館で飼育されています。
  • ワシントン条約でホッキョクグマの取引が制限されているのに加え、繁殖地のある国が野生個体を保全しようとしているため、野生のホッキョクグマを動物園に連れてくることはほぼ不可能です。
  • 野生下ではよく移動する動物で、1日で70km以上、1年で1,000km以上を移動した例があります。こういった動物を動物園で健康に飼育できるのかという議論があります。
  • 同じところを行ったり来たりする常同行動が見られることがあり、動物園という環境がよくないのではないかと言われることがあります。
  • 野生個体を新たに入れられない以上、飼育下においては、動物園で繁殖させた個体を、世界規模でやりくりするしかありません。
  • 国内では2010年に旭山動物園を中心に「ホッキョクグマ繁殖検討委員会」が立ち上げられ、日本中の園・館が協力してホッキョクグマを繁殖させる体制作りがされています。
  • 国内では1973年に旭山動物園で繁殖に初めて成功しており、最近では男鹿水族館でやアドベンチャーワールドで繁殖に成功しています。
  • ただし、世界規模でも飼育されている個体数に限りがあり、近親交配を避けようとすると組み合わせも限られるため、将来は明るいとはいえません。
  • ホッキョクグマが動物園からいなくなる日が来てしまうかも...

動物園での見どころ

人それぞれではあるのですが、あえて何点かあげておきます。
  • 他の種類のクマとの見比べ。大きさとか、形(首の長さ、脚の短さ、耳の小ささ)とか。
  • 遊び方(動物園によっては退屈しのぎのためのおもちゃをもらっています)。
  • 肌の色(本当は体調不良なのでしょうけれど、脱毛している部分があると、白い毛の下の地肌の色がわかります)。
  • 居場所(広いところが好きか、狭いところが好きか。高いところが好きか、低いところが好きか。それは個性なのか)。
  • 本当に毛は透明か(本に書いてあることが必ずしも正しいとは限りません)。
  • どうしてこいつら水かきがないんだろうかとか(遊泳に適した体と説明されていますが、カピバラなどにはある水かきがホッキョクグマにはないのです。どうして?)。
  • ひざを伸ばすことはあるのだろうかとか(伏せたときも後脚のひざは曲がっています。)。
  • 来園者への反応のしかた(無視しているようで、気にしていたりだとか)。
  • 歩き出すときは右脚からか左脚からか、いつも同じ脚かとか(本当はよくないんでしょうけれど、常同行動が見られることがあります)。
  • 泳ぐのが得意といっても他のクマと比べての話であって、アザラシよりは下手だろうとか。
ホッキョクグマだけで1時間くらい経ってしまうこともありますし、1日では足りず、他の天気の日にも見に来てみたいと思ってしまうこともあります。特に気に入った個体が見つかってしまうと、動物園に通わざるを得なくなります。

ホッキョクグマを見られる日本の動物園

ホッキョクグマについて詳しいWEBサイト、ブログ

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