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2014年7月10日木曜日

コラム 鳥羽水族館 スナメリの赤ちゃんの人工哺育

鳥羽水族館のスナメリの赤ちゃん人工哺育へ

今朝、動物園・水族館のWEBサイト更新状況をチェックしていたところ、鳥羽水族館のサイトに赤い文字で「人工哺育に切り替える為、赤ちゃんはバックヤードへ移動しました。」と掲載されているのが見つかりました。
先週の金曜日に公開された「スナメリに赤ちゃん誕生!!」のページです。
驚きは驚きだったのですが、これを機に、スナメリの人工哺育について、まとめておこうと、この記事を作成しました。

スナメリとは

スナメリの写真
※画像はWikipediaのものです。著作権情報はWikipediaにあるものをご参照ください。
スナメリは小型のイルカの仲間です(水族館風に表現すると、クジラの仲間です)。詳細はWikipediaの記事が詳しくて十分すぎるのですが、ここでもかいつまんで説明しておきます。
スナメリはインドから日本沿岸にかけて分布しており、瀬戸内海などでも目撃されることがあります。見た目の特徴としては、全身が灰色であること、背びれがほとんどないこと、大きさが2m程度までと小型であることなどがあげられます。

水族館での飼育状況

必ずしも最新の情報とは限らないのですが、(公社)日本動物園水族館協会のデータベースによりますと、日本国内では
で飼育されています。それぞれホームページからたどると、飼育状況やその水族館近辺の海での生育状況などが分かります。他にも宮島水族館でも飼育されていますし、海遊館で飼育されていたこともありました。また、12日間と極めて短期間ではありますが、長崎県の九十九島水族館でも飼育されていたことがありました。
最近では、鳥羽水族館、宮島水族館で飼育下繁殖の実績があります。

人工哺育の実績

繁殖も簡単ではないのですが、スナメリの人工哺育はさらに例が少なく、困難であることが伺えます。が、国内でも実績が無いわけではありません。その人工哺育の実績を調べていて自分の無知さにあきれてしまったといいますか、驚いたといいますか...
日本ではスナメリの人工哺育の成功例と言われているものは一例だけです。そして、その一例というのが、今回話題の鳥羽水族館だったのです。しかもそれはつい最近、1年前のことでした。

もう一度

その1年前の人工哺育の実績はさすがに最近の例ということもあり、簡単に調べることができました。昨年5月の赤ちゃん誕生のニュース記事を公式ウェブサイトで確認することができます。「親子の体調が思わしくないため・・・」という赤い文字が今も残されています。そして、母親の名前が「マリン」。今回の7月の赤ちゃん誕生のニュース記事を見ても、母親の名前が「マリン」。同じお母さんでした。
昨年の例でいくと、生まれて4日ほどで人工哺育に切り換えられたことが、水族館の昨年のブログ記録でわかります。ここから今日に至るまで赤ちゃんは無事に育っており、リンという愛称で公開されています。これが国内で唯一のスナメリの人工哺育の実績です。
今年も、同じお母さんということで、スタッフの方は心のどこかで準備があったのではないかと推測されます。
情報公開がしっかりしていて、かつ、人工哺育の実績のある鳥羽水族館ということで、ここは水族館のスタッフの皆さんを信じて、続報を待ちたいと思います。

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