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2014年7月19日土曜日

コラム Firefox を動物園で見る

Firefoxというソフト

ちょっとパソコンにうるさい人なら、ブラウザとして Firefox をインストールしていることでしょう。
常用するかどうかは別として。
パソコンに詳しくない人は、何のことか分からないでしょうから、簡単に寄り道説明しておきます。
Windowsパソコンなら買ってくれば、WEBサイトを見るためのソフトとして、Internet Explorerというソフトが最初から入っています。「インターネット」というアイコンをクリックしたときに自動的に起動してホームページを見せてくれるのがInternet Explorerです。MacならSafariですね。
でも、これでちょっと機能が足りないなと思ったら、別のソフトに入れ替えてしまったりできるのがパソコンのいいところです。その入れ替え候補の有力な一つが、Mozilla Firefox というソフトです。これはこれでいいソフトなので、将来、ちょっとパソコンに詳しくなったときのために覚えておいてください。
 Firefox 公式サイト

Firefoxという動物

さて、ここに、Firefoxのアイコンを貼りつけてみました。不思議な動物が描かれています。
口の先が尖っていて、尻尾は炎のよう。アイコンを考えた人が「Firefox」という動物をよくわかっていなくて、「Fire」と「fox」に分けて考えてしまったのですね。
日本のユーザーでも、Firefoxがキツネの仲間だと思っていたり、伝説の動物、妖怪の一種であると思っていたりすることが多いようです。
実在する動物なのですけれど。
Firefoxと単なるfox(キツネ)の違いは色々とあります。たとえば、Firefoxはかかとを地面につけて歩きます。キツネはかかとを浮かせてつま先だけで歩きます。
かかとをつけることの良し悪しは別として、かかとがつく動物は、2本足で立ち上がることができます。
10年ほど前、2本足で立ち上がってブームを巻き起こした動物がいました。
そうです、Firefoxというのはアライグマ、ではなくて、レッサーパンダのことだったのです。
レッサーパンダの口はとがっていませんし、尻尾は縞々です。ですので、Firefoxのアイコンのイラストは現実のFirefoxとは大きくかけ離れていますね。
ここ数日、レッサーパンダの赤ちゃん誕生のニュースが続いていますので、レッサーパンダについての情報をここにまとめておこうと思いました。


レッサーパンダという動物

ここで改めてレッサーパンダについて解説したところで、Wikipediaの記事の丸写しのようなことにしかなりませんので、リンクを張るだけにしておきます。
Wikipediaのレッサーパンダの記事(真面目に詳しく書かれているので後でゆっくりとお読みください)。
ぱっと見、可愛らしい動物で、大きさも手ごろです。
野生ではインド北東部、ネパール、ブータン(ヒマラヤのあたり)や中国、ミャンマーの標高の高いところ、要はアジアのとても涼しいところに棲んでいます。
名前をよく聞くわりには、他のどの動物の仲間なのか、よくわかっていません。Wikipediaではレッサーパンダ科にしてしまっていますが、(公財)日本動物園水族館協会ではアライグマの仲間(アメリカの動物!)にしてしまっていたりします。
まだまだ謎の多い動物なのです。

動物園のレッサーパンダ

最近読んだ本には、レッサーパンダのエサが分かったものここ2~30年の話だとか書かれていました。それまでは適当に果物などを与えていたため糖分過多になりやすく、動物園では長生きできない動物の一つに挙げられていたそうです。
もちろん今ではそういった問題は解決しており、20年以上生きる個体も出てきています。
そして何よりも興味深いのは、野生下ではおそらく5,000頭前後しかおらず、絶滅が心配されている種であるレッサーパンダが世界中の動物園では800頭前後が飼育されていること、そして、その4分の1にあたる200頭が日本に偏っていることです。日本人、どれだけレッサーパンダが好きなのでしょうか。もっとも、これより上にはフンボルトペンギンという生き物がいて、野生では1万羽を切るといわれているフンボルトペンギンが日本の動物園・水族館に1,500羽もいたりします。

動物園で見るレッサーパンダ

今さら私ごときが語ったところで、レッサーパンダフリークの方には敵いません。が、せっかく動物園に行って実物を見る機会があったらここは押さえてほしいというポイントをいくつか挙げさせていただきます。
なお、レッサーパンダは国内でおよそ50の動物園で飼育されています。(公財)日本動物園水族館協会に加盟している動物園がおよそ80ですから、飼育していない動物園のほうが少ない、という言い方もできなくはありません(でも、私のよく行く井の頭自然文化園にはレッサーパンダはいません。レッサーパンダを見たい場合はやはり事前によく調べてから出かけるようにしてください。あと、沖縄県では見られません)。

二本足で立てます

十数年前、これでブームになり、物議を醸すに至りました。四本足で歩くときも、もともとかかとをつけて歩く動物なので、二本足で立つことはできます。
ただし、常時二本足で立つ体の構造にはなっていませんので、無理があるのは事実です。人間の勝手で二本足で立たせていいものではありません。
動物園では、ゾウやクマの仲間がかかとを地面につけていますので、あわせて見比べると面白いでしょう。むしろ、イヌ、ネコ、トラ、ライオンやシカ、ウマなどが、かかとが地面につかず、つま先立ちになっていることに気づいていない人のほうが実は多かったりしますが。

笹食ってます

パンダは笹を食べるという先入観があれば何の不思議もないのかも知れませんが、こんなに消化の悪いものを食べて生きていけるというのが実はとても不思議なことだったりします。
七夕のイベントで、各地の動物園でいろいろな動物に、笹にぶら下げたエサを食べさせていましたが、笹まで食べてしまうのは、パンダの仲間やゾウなど、限られていました。笹を主食にしてしまう哺乳類というと、パンダ以外では、あとは私だと、ハイイロジェントルキツネザルというマイナーな動物くらいしか思い浮かびません。
ここで前足に注目です。レッサーパンダは、私たちヒトのように親指が他の4本と対向してついているわけではありません。5本とも前についています。前足も後ろ足も、ヒトの足のような指のつき方をしています。なのに、前足で笹をつかむことができる、とても不思議な生き物なのです。その秘密は、ネットで検索するときっと説明しているサイトが出てくることでしょう。
動物園によってはイベントで、パンダの糞を見せてもらえたりします。ほとんど消化できていないので、笹の香りがします。エネルギー効率が決してよいとは言えないエサなので、量でカバーすることになるのでしょう。かといって消化のいい果物などを与えてしまうと糖分過多になる、難しい生き物です。

樹の上に棲んでます

動物園だと展示施設の関係でうまくないこともあるのですが、もともとは樹の上で暮らす動物です。
もっとよくできていると私が思うのは上野動物園(2014年現在)です。今や都会の真ん中の穴場の動物園です。ちょうど陸橋のところに展示施設を用意してあるので、樹に登ったレッサーパンダを下から見上げることもできますし、人間が陸橋に登れば手が届かんばかりの真横から、あるいはさらに上から見下ろすこともできます。3次元でレッサーパンダを観察できるすごい施設です(気付いて陸橋の途中で立ち止まる人がとても少ないです...)。保護色で、下からは見つけにくいというのが一目瞭然です(見つけにくいのですが)。
他にも注目したい動物園としては鯖江市の西山動物園が挙げられます。レッサーパンダの飼育に力が入っています。
東京の多摩動物公園は、個人的にはちょっとえげつないと思っているのですが、レッサーパンダから岩山一つ隔てたところで、ユキヒョウを展示しています(隣同士ともいいます)。ユキヒョウはレッサーパンダを捕食する生き物なのですが、アジアの山岳地帯にすむ動物をまとめて展示した結果、こういう配置になったもようです。匂いとかが伝わってしまいそうなのですが、お互いに「ここは動物園の中だから」ということを理解してしまっているのでしょうかね。

繰り返し見てください

とにかく日本中(沖縄県を除く)の動物園にいますし、ネット上の資料も多いので、通い詰めて観察しやすい動物です。四季の様子の違いなどを見比べるとまた面白いものと思います。
真昼間は昼寝していることが多いので、どうしても動いているところが見たいと思ったら、時間を考えて動物園に行く必要があります。昼寝しているところで毛の生え方などをじっと観察するのも面白いものではあるのですが。

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